MIPO

MANABE INTELLECTUAL PROPERTY OFFICE

フェルマーの小定理の証明その3

まだ、フェルマーの小定理の証明方法があるんです。

まず、最初に、次の補題を証明します。

「aとpが互いに素であるとき、a, 2a, 3a,・・・(p-2)a, (p-1)aをpで割った余りはみな異なる」

これを、背理法にて解く。

つまり、pで割った余りが等しいものが存在すると仮定すると、ia≡ja (modp)を満たす自然数i, j が存在することになる (i≠j)。

ここでaとpが互いに素であるので、両辺をaで割っても合同式は成り立つ。よって、i≡j (mod p)となる。今回、iとjは「1以上、p-1以下」の自然数であるため、この式が成り立つためには、i=jが成り立つしかないが、i≠jであるために矛盾する。

よって、結論は、背理法により、「 a, 2a, 3a,・・・(p-2)a, (p-1)a をpで割った余りはすべて異なる」となる。

次に、 a, 2a, 3a,・・・(p-2)a, (p-1)a の積をpで割った余りについて考えると、この補題の成立から、以下の合同式が成立する(a, 2a, 3a,・・・(p-2)a, (p-1)a をpで割った余りは、1, 2, 3,・・・p-1が1回ずつ現れ、余りがすべて異なるから積を(p-1)!で表せる)

a× 2a× 3a × ・・・×(p-1)a=1×2×3×・・・(p-1)×ap-1

    ≡1×2×3×・・・(p-1) (modp)

つまり、(p-1)!×ap-1 ≡ (p-1)!  (mod p)

ここで、(p-1)!とpは互いに素なので、両辺を(p-1)!で割ることができる。

したがって、 ap-1 ≡1 (mod P) が成立する。 ~この証明は、華麗です!