「黒い雨」訴訟の本
戦後75年以上経っても、原爆投下の被害について裁判で争っているのです。
「黒い雨」訴訟は、2021年7月に広島高裁で判決が言い渡され、ときの菅首相が政治判断をして最高裁への上告を断念して確定したものです。
原爆投下直後に降った黒い雨に翻弄された長い歴史について、まとめた本が出ていました。
集英社新書 「黒い雨」訴訟 (2022年7月20日第1刷発行 小山美沙著)
この本によると、1945年8月6日に黒い雨(油っぽくて黒い水滴)が降った地域の特定が宇田論文(1945年12月)の降雨域(新書の図1)、増田雨域(1989年2月)(同じく図4)、大瀧雨域(2010年5月)(同じく図5)と何十年も経ってからその後のヒヤリング調査で変更されています。
放射線による内部被ばくの恐ろしさを思い知ります。そして、政府は、「科学的知見に基づかない」という言葉をもって、現に被害を受けた当事者を切り捨てようと続けてきている(原発事故の被害も同様な構図です)態度がそら恐ろしいと感じます。 原爆投下後の戦後は終わってませんね。