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新型原子炉で水素量産って方向性は合っていますか?

日経ビジネス電子版の2022年4月22日号に「三菱重工、新型原子炉で水素量産 鉄鋼メーカーの脱炭素後押し」という記事が載っていました。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00155/041900081/

JAEAの大洗研究所にある高温ガス炉の試験研究炉。熱交換器(中央)の中をヘリウムガスが出入りする(写真:築島斉)
記事掲載の写真から:
JAEA(日本原子力研究開発機構)の大洗研究所にある高温ガス炉の試験研究炉=実証プラントで三菱重工が関与。熱交換器(中央)の中をヘリウムガスが出入りする

どうも、クリーンエネルギーのひとつに、原発を残したいという国(経産省)の意向を受けて、コンパクトな原子炉開発なのでしょうが、「クリーン」ではないですね。

この記事の後半には「ただ、高温ガス炉が原子炉の一種である以上、放射性廃棄物の問題などは付きまとう。安全性の確保を徹底することで原子力発電に対する社会の理解を得られるかが、普及に向けたハードルになる。」と、弁解がましく書いてありますが、小型の原子炉が日本や世界のあちこちにできることはそれだけ、放射能漏れ、汚染のリスクが高まることにならざるを得ません。

クリーンエネルギーを確保すること、脱炭素社会を目指すことにおいて、水素利用は方向性の一つです。しかし水素を作り出すのに、原子炉を使うというのは、誰が考えても誤った方向でしょう。「隣町の原子炉が壊れて、放射能汚染が起きました。」というような事態が頻発する時代がくることなど誰も望みません。