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「ひとりでがんばらない!」

社会福祉士の藤田孝典さんの絵本です。

https://www.crayonhouse.co.jp/shop/g/g9784861013966/

5大ニーズを「非売品」に!というお話が載っています。5大ニーズとは、「教育、医療、介護、保育、住宅」です。このような人間が生きていくのに必要なサービスが、この国では「商品」とされています。これらが、無料かあるいはわずかなお金で手に入れることができるなら、貧困家庭で苦しむ人はいなくなるのではないでしょうか?

「自助・共助・公助・そして絆」とか言ったエライさんがいましたが、「自助」を最優先とするような実験はこの国では失敗に終わっています。「ベーシックサービス」を「商品」ではなく、公的サービスにすることが大事ですね。「公助」に力を入れるべきです。

また、この絵本には「福祉って、資本主義とたたかうもの!」とあります。今の総理になった時に、「新しい資本主義」とか言ってましたが、全然、その中身も不明ですし現実に何もかわりませんね。資本主義が行き過ぎた今の世の中では、一部の富を持つ人のところにますます富が集中して、その他大勢には、その恩恵は何ら滴ってきません。ワーキングプアが増え、ひとり親世帯はますます貧困になり、無理して勉強に励んで仮に「イイ会社」に入っても、ほとんどの会社は、もはや悪い循環に入っています。

もっと、今までの新自由主義的な社会を変えないと、人々が金銭的にも精神的にも豊かになれず、そして結局この国自体も滅びてゆくのでしょう。いくら会社にお金をためても、働く人々がいなくなったらその会社の存在自体意味がないですよね。いくらお金持ちになっても死んでしまったら、そのお金は遺産相続する一部の人にのみ受け継がれて、2世、3世は生まれながらにして裕福かもしれませんが、そのような恩恵にあずからない大多数の人にとっては、無意味ですよね。