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MANABE INTELLECTUAL PROPERTY OFFICE

契約書に著作権はあるの?

お仕事で契約書を作成することがありますが、お客さんから「作成してもらった契約書は、他の件にもコピーして使っていいですか?」と聞かれました。

私のこたえは、はい結構ですよ、あなた様のものですから、煮て食おうが焼いて食おうがどうぞご髄に、著作権侵害だとか言って訴えたりはしません、と。もっとも、契約書は、煮ることも焼くこともできなくて(焼くことはできるか!)、いかようにも複製、改変することをお認めしますという意味ですが。

ところで、そもそも、「契約書に著作権なんぞあるのかい?」と思い、少し調べてみると変な(失礼!)判決があるのですね。次はその判決文の第1頁です。

この件は、契約書ではなく規約書なのですが、次のように判示されています。

「原告規約文言は,疑義が生じないよう同一の事項を多面的な角度から繰り返し記述するなどしている点(例えば,腐食や損壊の場合に保証できないことがあることを重ねて規定した箇所がみられる原告規約文言4と同7,浸水の場合には有償修理となることを重ねて規定した箇所が見られる原告規約文言5の1の部分と同54,修理に当たっては時計の誤差を日差±15秒以内を基準とするが,±15秒以内にならない場合もあり,その場合も責任を負わないことについて重ねて規定した箇所がみられる原告規約文言17と同44など)において,原告の個性が表れていると認められ,その限りで特徴的な表現がされているというべきであるから,「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法2条1項1号),すなわち著作物と認めるのが相当というべきである。」

判決文12頁~13頁

ということは、まどろっこしく、くどくどと、繰り返している契約文書は著作権が発生するということかしら??? (笑) と思った次第です。

いずれにしても、当事務所MIPOのドラフトした契約書や規約書などの文書で、著作権の主張などは一切致しませんのでご安心くださいませ m(__)m