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映画「スープとイデオロギー」

今や人気の観光地である韓国済州島にこのような過去があるとは、この映画を見るまでは知りませんでした。日本がアジア侵略し、太平洋戦争で敗戦して(1945年)から朝鮮戦争が起き(1948年)、コリアは38度線で南北に分断されてしまいます。

在日コリアンで、日本(大阪・生野区)生まれの人が、なぜ、済州4.3事件(1948年)に巻き込まれてしまうのか、なぜ、朝鮮総連をとおして北朝鮮を強く信奉するのかがわかる映画でした。そして、日本において在日コリアンの活動が民団(韓国支持)と朝鮮総連(北朝鮮支持)とに分断されていくのかがわかるものでした。

同じ民族同士がイデオロギーの違いによって戦い殺し合う悲惨さが辛いです。そして、私たちの近くにひっそりと生きているコリアンに、このような壮絶な封印された過去があることに強いショックをうけます。

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歴史を知らないと、韓国の済州島も日本の沖縄も有名な観光地でしかありませんが、そこに生きていた、或いは今生きている人たちにとって、厳然と「歴史」はあるのです。

「歴史」を乗り越えることは、忘れることではなく、真正面からそれにたち向かって真実を知り、そこから得られる教訓をこれから生かすことだと思います。そして、この映画にある通り「思想や価値観が違っても一緒にご飯を食べ、殺し合わず、共に生きること」がいま求められます。

いかなる意味においても、戦争には強く反対しますし、現下の日本の軍備増強の方針は、平和を求めることとは明らかに逆方向に向かっていると思います。この国が悲惨なウクライナのように他国間の戦場となることを決して許せません。