MIPO

MANABE INTELLECTUAL PROPERTY OFFICE

配偶者居住権という新制度が4月1日から施行!

民法の相続関係部分が約40年ぶりに改正され「配偶者居住権」(民法1028条)及び「配偶者短期居住権」(民法1037条)が、2020年4月1日から施行されました。「配偶者居住権」は、居住建物を、原則として配偶者が死ぬまで無償で使える権利であり、「配偶者短期居住権」は、居住建物を、最低6か月間配偶者が無償で使える権利です。

注意が必要なのは、遺贈(遺言で遺産を贈与すること)や遺産分割(遺言がない場合に相続人全員が遺産の帰属を決める手続き)がなされてはじめて「配偶者居住権」が成立することで、被相続人の死去によって自動的に取得できる権利ではありません。またこの権利は登記することにって、第三者に対抗できる要件を備えます(注:登記は、「配偶者居住権」の権利の発生要件ではありません)。

また、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合は、「配偶者居住権」は成立しません(民法1028条1項但し書き)。

なお、相続開始後すぐに遺産分割をしても、配偶者は相続開始の時から6か月を経過するまでは、「短期配偶者居住権」にて居住建物に住み続けられます。