区分所有法の改正とマンション標準規約改正との矛盾?
23年ぶりに「区分所有法」が改正されました。悩み中!ちなみに下の絵は、ChatGPT5.2に描いてもらいましたが、どうも漢字が日本語にならないのがその特徴のようで(汗!)。

この改正は、以下のように言われています。
マンションの「建物の高経年化」と「居住者の高齢化」という「2つの老い」に対応し、管理不全の防止、管理の円滑化、再生(建替え・敷地売却)の推進を主目的としています。
具体的には、所在不明の区分所有者を除外した決議の円滑化や、建替え要件の緩和、管理組合による管理不全専有部分への対応強化などが盛り込まれ、持続可能なマンション管理を目指しています。
マンションのルールである「管理規約」の内容が、国家の法律である「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」の定めに反する場合、規約の内容が「無効」となり、法律の規定が適用されることになります。
ここで、多くのマンションが新年度の総会をむかえて、必ず通らないといけない議決の入口すなわち、集会(総会)の「定足数」について、改正区分所有法の規定と改正マンション標準規約とで、決め方がかなり異なっております。その結果、混乱を生じることになり、また、その背景はどこにあるのか探りました。
改正区分所有法
第三十九条(議事) 1 集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。
とあります。つまり、普通議決では、定足数の制限がなく、総会参加者で決がとれるように法律改正はなされております。
このことは、特別決議の規定と比較しても一目瞭然です。たとえば、次の規定の通りです。
改正区分所有法
第三十一条(規約の設定、変更及び廃止) 1 規約の設定、変更又は廃止は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項前段において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数による決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
通常決議(改正39条)の規定に基づく規約においては、定足数を決めることは、法律違反かどうかをAI(ChatGPT5.2)に以前、確認したときは次の回答でした。
1️⃣ 法的結論(重要) 令和8年4月1日施行の改正区分所有法では、普通決議について 「議決権を行使した区分所有者の過半数」 で決する方式に変更され、 総会成立要件(定足数)という概念自体が廃止されました。 したがって、規約で 「総会は区分所有者の過半数の出席をもって成立する」 「出席者が過半数に満たない場合は流会とする」 と定めることは、法律が予定しないハードルを付加するものであり、 法の趣旨に反し無効と解されます。
2️⃣ なぜダメなのか(立法趣旨) 今回の改正の最大の目的は、 「出席者が集まらず、管理が麻痺する事態の解消」 です。 ここで規約により定足数を復活させると、 改正の意味が失われてしまうため、立法趣旨に真っ向から反します。
3️⃣ よくある誤解(実務で出ます) 「法律は最低ラインだから、規約で厳しくしてもいいのでは?」 → 今回は通用しません。 理由: これは単なる最低基準ではなく 議決方法そのものの変更(制度設計の変更)だからです
4️⃣ どうしても「出席」を重視したい場合の代替策(実務的に重要) 規約で出席要件を設けることはできませんが、次のような合法的な工夫は可能です。
✅ ① 理事会・説明会を事前に開催 → 実質的な合意形成を総会前に行う
✅ ② 書面・電磁的方法の行使を原則化 → 「出席しなくても意思表示できる」仕組みにする
✅ ③ 一定事項は「書面決議」を原則とする → 総会を形式化しない運用へ
✅ ④ 規約で「出席を求める努力義務」を置く (※成立要件にはできないが、啓発規定なら可)
5️⃣ まとめ(住民説明用の一文) 改正法では、総会の成立条件としての出席者数は不要となりました。 規約でこれを復活させることはできませんが、意思表示の機会を広げることで、民主性は確保されます。
しかし、その後、次のような「改訂マンション標準管理規約」の第47条をAIにチェックさせました。
第47条(総会の会議及び議事)
1総会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、前条第1項に定める議決権総数の過半数を有する組合員が出席しなければならない。
2 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。
3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前2項にかかわらず、組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員の出席を要し、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上で決する。
一 規約の制定、変更又は廃止
二 敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの及び建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)第25条第2項に基づく認定を受けた建物の耐震改修を除く。)
三 前号の敷地及び共用部分等の変更に伴って必要となる専有部分の保存行為等 四 区分所有法第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起 五 その他総会において本項の方法により決議することとした事項
4 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前3項にかかわらず、組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員の出席を要し、出席組合員及びその議決権の各3分の2以上で決する。
一 敷地及び共用部分等の変更のうち、次に掲げるもの
イ 敷地及び共用部分等の設置又は保存に瑕疵があることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合におけるその瑕疵の除去に関して必要となるもの
ロ 高齢者、障害者等の移動又は施設の利用に係る身体の負担を軽減することにより、その移動又は施設の利用上の利便性及び安全性を向上させるために必要となるもの
二 前号の敷地及び共用部分等の変更に伴って必要となる専有部分の保存行為等
三 建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
つまり、改正マンション標準規約によれば、通常決議も特別決議も定足数を前提とすることは合法であるということのようです。
そして、これを読ませたAIの解答は、次の通りでした。
① まず結論(修正版・重要)
令和8年4月1日施行の改正区分所有法においても,「総会成立要件(定足数)」という概念が“法律上完全に廃止された”とは言えません。
👉 したがって,
規約で「総会は区分所有者の過半数の出席をもって成立する」と定めること 自体が直ちに無効と断言できる段階ではありません。
この点は、あなたの言うとおり 誤りを含んでいました 😭ここは素直に修正します。
② ただし「何でも規約で復活できる」わけでもない(ここが核心)
今回の改正で確実に変わったことは次です。
🔹 普通決議の基本構造
「議決権を行使した区分所有者の過半数」で決する
これは
出席者
書面決議
電磁的方法
を横断して一体として扱う制度設計です。
つまり立法者は、
「集まった人だけで決める総会」
↓
「参加形態を問わず意思表示した人で決める総会」
へ 重心を移した のは事実です。
③ 問題になるのは「定足数の置き方の中身」
ここからが実務的に超重要です。
❌ 危険な規約例(無効と評価されやすい)
出席者が過半数に満たない場合は流会
書面・電磁的議決権行使を含めず、出席者のみで成立判断
👉 これは
改正後の「議決権行使者基準」という制度趣旨を実質的に否定します。
将来、
無効主張
取消訴訟
で問題化するリスクが高いです。
⭕ 許容されうるライン(グレー〜セーフ)
一方で、次のような設計はまだ評価が割れますが、実務的には成立余地ありです。
「出席+書面+電磁的方法」をすべて含めた数で
一定割合以上の「関与」があることを前提にする
ただしこれは
📌 高度な規約設計と説明責任が必須
📌 管理不全解消という改正趣旨との整合性が問われます
④ 「最低ライン論」が通用しない、という点は【方向性として正しい】
あなたが整理されていたこの点👇
「これは単なる最低基準ではなく、制度設計の変更」
これはかなり本質を突いています。
✔ 今回の改正は
単なる数値緩和
技術的改正
ではなく、
👉 「参加モデルの転換」
だからです。
なので裁判所・学説は将来、
「形式的な定足数復活」= 改正趣旨潜脱
と評価する可能性が高い、という読みは極めて妥当です。
・・・と「素直に修正」はしたものの、謝罪はありません。
AIは、結局、次のように解説してくれました。
なぜ行政は「あえて」残したのか(癖の正体)
ここからが“行政の癖”です。
🔹 標準規約は「教科書」であって「最適解」ではない
標準管理規約は、法的に一番スマートではなく、現場で大事故が起きにくいことを最優先します。
👉 いきなり定足数を消すと、「少数で勝手に決められた!」というクレームが全国で噴出します。
行政はその地雷を踏みたくない。
🔹 施行前に“革命”はしない
今回の改正は、法律側で一歩進めた、規約・運用は徐々にという二段構えです。
標準規約まで一気に変えると、「じゃあ今までの総会は全部おかしかったのか?」という混乱を招く。👉 行政はこれを極端に嫌います。
🔹「残す=義務」ではない、という逃げ道
重要なのはここ。行政は「残した」けれど「強制していない」。
つまり、定足数を置くことも、置かない設計を採ることも
👉 現場に委ねた。
標準規約は「安全運転の初期設定」にすぎません。
… 以上
以下、私見ですが、区分所有法にも、「第三十九条(議事) 1 集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、 出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。」
と、いつものように「特段の定め」で逃げており、強行規定の部分は「出席者の過半数での議決」であって、「任意規定」として、定足数を定めることは可能と読ませるのであるとわかります。これが法律作成者の意図するところであったかどうかは不明ですが。
しかし、条文を見てもどこが強行規定なのか任意規定なのかは、はっきり言ってわからない(わかりづらく)、新規定は判例もない以上、なかなか解釈に厳しいものがあります。
このように、法律条文には「落とし穴」があるということ、AIを使って注意していても落とし穴にはまることもありうるということがわかる事例です。
しかし、AIは謝罪しませんね。はがねのような強い(自己正当化する)心をお持ちです。人間はいい加減に心が折れますけれども・・・・。