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「消えた核科学者」という本

岩波書店から発刊された次の書籍を読みました。

https://www.iwanami.co.jp/book/b635076.html

著者の渡辺周さんは朝日新聞出身で、現在Tansaの編集長です。

消えた核科学者 | TANSA
https://tansajp.org/

この本は、竹村達也という核科学者の失踪を中心に探査した結果を述べたものです。この竹村さんは、大阪の天王寺高校出身で阪大工学部で冶金を学び、動燃に入り、米国の国立アルゴンヌ研究所に留学した核技術の研究者で、プルトニウム燃料のパイオニアであったということです。この人が1972年3月に失踪しているとのこと(当時36歳)ーこの人の技術が、北朝鮮の核開発に関連しているかもしれないということです。ことは国の安全保障にも絡む重大事態です。

北朝鮮が日本人を含む各国の人を拉致して北朝鮮で働かせていることは公になってもう何年も経ちますが、なぜ人を拉致するかというと、その人が重要である、拉致することに意味があるといったことが素人ながら考え付くわけです。そうなのです、ラーメン店の店員や、事務員や、中華料理店のコックなどを拉致すること以上にこのような科学者を拉致することの危険性は高く、拉致の結果生じることは甚大な影響を及ぼしかねないです。

この本では、警察や政府は、この竹村さんの拉致について本人の職業なども正確に発表せず、関係者への聞き取り捜査も不完全であった実態が明らかにされているのです。このような拉致があったことを積極的に調査せず、むしろ覆い隠そうとしている気さえします。

今、日本は、拉致被害の全容解明と被害者全員の救出を掲げる政府がありますが、実態として何も進めていない、むしろ過去の捜査の不備を覆い隠し、すべて封印しようとしているのではないでしょうか?

いつの時代も不都合な真実を政権は人々の前から消し去ります。その片棒を警察権力が担いでいます。政権中枢に警察出身者が増えれば、さもありなんです。いいかげんにしてほしいですね。