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オリンピック開会式のドローンライトショーは、ディズニーの特許権!?

オリンピックの開会式で、唯一目を引いたのは、ドローンのライトショーだったといった記事が散見されますが、その正体は、米インテルが一般向けに提供しているサービスであるということで、東京オリンピックの出し物なのに「日本製じゃないんだ!」ということでがっかりした人も多いかと思います。

ところで、米国ではこのような催し自体をディズニーが権利化しているという記事がありました。

YAHOO!JAPAN ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20210725-00249715

調べてみると次の特許です。

米国特許第8,862,285号(出願日:2013年02月15日、登録日:2014年10月14日、出願人:ディズニーエンタープライゼスインク)。特許は米国のみで成立しており、日本では自由に実施できます(インテルその他の権利は存じませんので、日本でも実施すれば、他の特許を侵害することになる可能性はあります)。次のような図面がありました。

この特許のクレームはとっても広そうです。下記で、UAVとは、unmanned aerial vehicles(ー無人飛行物体といったところでしょうか)。このシステムをカバーするクレーム1のほかに、フライト制御方法や飛行物体のクレームもあります。

1. A system for providing an aerial display, comprising:
a plurality of UAVs each including a propulsion device and a display payload; and
a ground station system with a processor executing a fleet manager module and with memory storing a different flight plan and a set of display controls for each of the UAVs,
wherein, during a display time period, the UAVs concurrently execute the flight plans through operation of the propulsion devices and operate the display payloads based on the display controls.

このようなエンターテイメントの世界でも、日本は、どんどん後塵を拝してますね! メイドインジャパンの時代は、もはや遠き昔のことでした、という落ちですか!?-東京オリンピック2020においても。