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CRISPER-Cas9 も特許の争いだらけ( ゚Д゚)

2020年度のノーべル化学賞に2人の女性研究者が受賞しました。女性科学者が選定されることはとても喜ばしいことです。大いに、活躍をしてほしいですね~。

ところで、ノーベル賞の受賞の裏に、熾烈な特許の競争や、結果として起こる紛争があることは、もはや常識なのでしょうか?(当Blogでも2018年のノーベル賞受賞者本庶佑京大特別教授が、共同出願人の小野薬品工業と争っていることをお伝えしております(2020年6月29日)。)

今回の受賞者の一人のジェニファー・ダウトナ教授が属するカリフォルニア大学バークレー校(UCB)は、マサチューセッツ工科大(MIT)とハーバード大の設立によるブロード研究所(BROAD)のフェン・チャン博士らと先発明をめぐり、米国特許庁においてInterferenceで争っているということです。

そして、LES JAPAN NEWS Vol.59 No.4, December, 2018(https://www.oslaw.org/profile/format/Matsutoya(2018)%20LES%20JAPAN%20NEWS_Vol59%20No.4%20pp19-28.pdf)によると、発明の順序として次のようなタイムラインとなっているようです。

要するに、1年ほどの間に、UC(UCB)、BROADを含む、5グループの出願が競合しているということが分かります。そして、1件の出願が複数の優先権を伴うものであり、発明日の特定は非常に複雑なものとなることが容易に想像されます。

そして、この争いは、米国のみならず、欧州でも、日本でも起きているようです。

加えて、もう一つ驚いたのは、MPEG LAがパテントプールにのりだしていることです(下記URL)。MPEG LAは、MPEGという動画の規格に絡んだパテントプールをすすめたところです。
https://www.mpegla.com/crispr/initiative/

おめでたいノーベル賞について、イロイロ知っていくと驚くことだらけですね~ ( ゚Д゚) (オメデタイのは私だけ!?)